一般社団法人 全国容器循環協議会

資源循環型社会に向けて

プラスチック廃棄物処理を取り巻く社会課題

  2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された持続可能な開発目標(SDGs)は,「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載され,2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。その目標の一つとして「つくる責任・使う責任」が規定されています。
 
   従来から「循環型社会形成推進基本法」「資源有効利用促進法」を柱とした、3R(Reduce・Reuse・Recycle)を目指す個別のリサイクル法が2001年に完全施行されました。その中で「容器包装リサイクル法」に基づき、〇 容器包装の市町村による分別収集 〇 容器の製造・容器包装の事業者による再商品化が定められ、ビン・缶・古紙に加え、プラスチック容器包装の中でもペットボトルは 86%のリサイクル率を実現しました。

新たな課題とプラスチック資源循環促進法

 一方でその他のプラスチック容器包装の資源化はあまり進んでいませんでしたが、
汚染プラスチックの輸出規制(バーゼル条約改正2021)で日本での国内循環の必要性が増大するとともに、海洋プラスチック等による環境汚染が深刻化するなかで、環境省はプラスチック資源循環戦略(2019)を定め、循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行、基本原則:3R+Renewable を基本方針としました。

そして「プラスチックに係る資源循環の促進に関する法律」(プラ新法:)が2022.4施行に施行されました。

SDGs 17の目標
12 持続可能な消費と生産のパターンを確保する

環境省プラスチック資源循環戦略 2019年

政府は、海洋プラスチックごみ問題、気候変動問題、諸外国の廃棄物輸入規制強化の幅広い課題に対応するため、5月に「プラスチック資源循環戦略」消費者庁・外務省・財務省・文部科学省・厚生労働省・農林水産省・経済産業省・国土交通省・環境省)を策定し、3R+Renewableの基本原則と、6つの野心的なマイルストーンを目指すべき方向性として掲げました。

また、マイルストーン)として

<リデュース>
①2030年までにワンウェイプラスチックを累積25%排出抑制
<リユース・リサイクル>
②2025年までにリユース・リサイクル可能なデザインに
③2030年までに容器包装の6割をリユース・リサイクル
④2035年までに使用済プラスチックを100%リユース・リサイ
クル等により、有効利用
<再生利用・バイオマスプラスチック>
⑤2030年までに再生利用を倍増
⑥2030年までにバイオマスプラスチックを約200万トン導入
を掲げています。

また、同年6月に行われたG20大阪サミットにおいて、本戦略も含めて我が国の対策を各国に発信し、2050年には新たな海洋汚染をゼロとすることを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」が共通のグローバルなビジョンとして共有されました。

環境省プラスチック資源循環戦略(概要)
G20大阪ブルー・オーシャン・ビジョン

プラスチック資源循環促進法(プラ新法)2022年4月施行

政府は、2021年(令和元年)5月に「プラスチック資源循環戦略」 を策定し、3R+Renewableの基本原則と、6つの野心的なマイルストーンを目指すべき方向性として掲げました。さらに、2023年6月には、プラスチック使用製品の設計からプラスチック使用製品廃棄物の処理まで、プラスチックのライフサイクルに関わるあらゆる主体におけるプラスチックの資源循環の取組を促進するための措置を盛り込んだ「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が成立しました。

1.本法律の対象となるプラスチック使用製品とは

法に定める「プラスチック使用製品」は、プラスチックが使用されている製品(プラスチック製容器包装を含む)が該当します。ただし、法律の各制度ごとに「容器包装リサイクル法」をはじめ個別リサイクル法との関係が整備されています。


2.3R+Renewableによるプラスチック資源循環とは

回避可能なプラスチックの使用は合理化(Reduce・Reuse)した上で、技術水準、安全性、機能性、経済的な状況等にも配慮しつつ、必要不可欠な使用については、より持続可能性が高まることを前提に再生可能性の観点から再生素材や再生可能資源(紙・バイオマスプラスチック等)に適切に切り替え(Renewable)、徹底したリサイクルを実施し(Recycle)、それが難しい場合には熱回収によるエネルギー利用を図ることで、プラスチックのライフサイクル全体を通じて資源循環を促進していきます。


3.それぞれの役割

プラスチックの資源循環に向けては、事業者、消費者、国、地方公共団体等のすべての関係主体が参画し、相互に連携しながら環境整備を進めること、相乗効果を高めていくことが重要です。各役割への積極的な取組についてご協力をお願いします。

                                (環境省HPより)

そのプラスチック資源循環促進法概念(環境省HP)
プラスチック資源循環促進法概要(環境省HP)

自治体による再商品化計画による製品プラスチックの回収が始まりました(2023年4月)

[仙台市]  
「全国第1号!製品プラスチック一括回収・リサイクルに係る大臣認定を取得」
(2023年4月)
再商品化計画を策定し、市町村自らがリサイクルする方法としてJ&T環境株式会社(JFEエンジニアリング㈱)へ委託
https://www.city.sendai.jp/kikakukehatsu/haiki-kikaku/daijinnitei.html

[横須賀市]
「プラスチックの一括収集・リサイクルについて大臣認定を受けました」
(2022年12月)
                                 
再商品化事業者「株式会社TBM」と連携し、再商品化計画を策定しました。
https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/4105/nagekomi/20221219keikakunintei.html
[安城市]
全国で第2!プラスチック一括回収に係る大臣認定の取得について」
(開始日:2024年1月)
株式会社富山環境整備」(富山県富山市)と連携して本市の再商品化計画を作成。

https://www.city.anjo.aichi.jp/kurasu/gomi/plastic-nintei.html

※ その後、33条による認定は第8号まで増えています。
 

環境省 HPより

「再資源化事業等高度化法」が国会で可決されました(2024年5月)

2023年6月 環境省「中央環境審議会」「循環型社会部会」の下に「静脈産業の脱炭素型資源循環システム 構築に係る小委員会」を設置。 循環経済工程表や廃棄物処理法基本方針などを踏まえ、脱炭素と資源循環を 一体的に支援する制度的対応について議論を実施。

 2024年2月16日 中環審会長から環境大臣へ意見具申。

 2024年3月15日 閣議 決定。

 2024年5月21日 第213回国会にて、衆議院を経て参議院可決

     公布(6月)を経て施行される。(本格施行2025年秋予定)
 業界全体の再資源化の取組を促進するため、3類型に該当する事業について環境大臣による認定制度を創設(廃掃法上の特例)
(1) 高度再資源化事業の認定等
(2)高度分離・回収事業の認定等
(3)再資源化工程の高度化の認定等
財政上の措置として、効率的なリサイクル設備導入補助、実証事業、GXに向けた設備投資支援 等

資源循環高度化法案の概要 (1)
資源循環高度化法案の概要 (2)
資源循環高度化法案の概要 (3)

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